【瞑想ヨガ】ハーバード大学でも研究されているMBSRのヨガとは

IT企業や一流のビジネスパーソンをはじめとして、「瞑想イコール良い習慣」という認識が少しずつと広がりを見せています。(2022年1月現在)

一方、すでに女子に人気の習い事としてメジャーな「ヨガ」。

では、「瞑想ヨガ」とは?

聴き慣れないかもしれません。

パンダ先生

ヨガをやりながら瞑想をするのが、いわゆる「瞑想ヨガ」だよ。

じつは欧米の医療の現場でも使われているマインドフルネスの瞑想ヨガ。

マインドフルネスストレス低減法(MBSR: Mindfulness-Based Stress Reduction)8週間プログラムの一部として確立されています。

この記事では、ヨーロッパで最も歴史のあるマインドフルネスアプローチの研究所 Institute for Mindfulness-Basesd Approaches の先生方から直接指導を受けている筆者が、ハーバードなど世界有数の大学で研究がさかんに行われている「MBSRの瞑想ヨガ」特徴とやり方について、ポイントをしぼって解説

MBSRの瞑想ヨガをやる時の注意点と、実際にやってみた率直な感想をお伝えします。

ぜひ参考にしてください。

【瞑想ヨガとは】6つの特徴 -マインドフルネスストレス低減法(MBSR)版-

MBSR(マインドフルネスストレス低減法)とは、Mindfulness-Based Stress Reductionの略。

来日の経験があり、禅の学びを深められたマサチューセッツ大学医学部名誉教授のジョン・カバットジン先生が、宗教色を排除して、1979年に開発されたプログラムです。

今では慢性的な痛みや不安、うつの改善に効果があることが実証されています。さらに脳科学や免疫学の分野でもその効果が期待されていて、実証されつつあります。

すでに他国では、医療や心理療法、ヘルスケア、学校、会社、刑務所、スポーツの分野でも活用されています。

そのMBSRのプログラムの中で行われる「瞑想ヨガ」の6つの特徴を解説します。

ポーズをとることを目的としない瞑想ヨガ

ヨガと聞くと、難しそうなポーズ(アーサナ)をとっている姿をイメージすることがあるかもしれません。

「体がかたいからヨガは無理」

「ケガしているから、できない」

ということでヨガに対して苦手意識を持っていたり、できないと思ってあきらめているとしたら、マインドフルネスの瞑想ヨガは、きっとあなたの可能性を引き出してくれます。

最終ゴールとして、きれいなポーズを正しくとることではないのが、マインドフルネスの瞑想ヨガだからです。

もちろん、ヨガ未経験者にとってもやさしい。

ヨガ経験者にとっては、目からウロコの体験になるかもしれません。

リラックスを目的としない瞑想ヨガ

マインドフルネスの瞑想ヨガは、リラックスするために行うものではありません。

結果的に、終わるころにはリラックス状態になっている、ということはあるかもしれませんが。。。

「瞑想ヨガ」ですので、「瞑想」が目的です。

そもそも、マインドフルネス瞑想の目的がリラックスではない!というのがポイントです。

では、MBSRの瞑想ヨガのより詳しい特徴は?

ということで、以下に続きます。

体の感覚に耳を傾ける瞑想ヨガ

ヨガの動きのなかで、その瞬間瞬間の体の感覚によく耳を傾けて行います。

同じ動きをしていても、そのときの体の調子やもともとの体の状態は、人によってさまざまです。

パンダ先生

キミの体の感覚は、キミにしか分からないんだよ。キミだから分かるもの。

「こうしなければ」

「これができないとダメ」

のような評価をいっさい手放す練習にもなります。

呼吸に意識を向ける瞑想ヨガ

手を上にあげるときに息を吸い、手を下ろすときに息を吐く。

これが基本的なヨガの呼吸のスタイルです。

MBSRの瞑想ヨガでも、そのようにすることがありますが、絶対そうしないといけないというルールがないのが特徴です。

前述したように、今の体にあった呼吸のタイミング、呼吸の仕方はその人のその瞬間によって異なります。

心の様子に気づく瞑想ヨガ

瞑想ヨガの間、ヨガだけをやっているようで、何か思いをめぐらしていることや、何か感情が湧いてくることがあります。

「ヨガだけに集中して、雑念を持ってはいけない」

とはせずに、その時々の心の様子を観察していきます。

その時の心がネガティブな状態であっても、ポジティブな状態であっても、そのこと自体を問題としません。

「ただ観察する」

「ただ気づく」

これがマインドフルネスの瞑想ヨガの最中でも大切にされています。

自分自身へのいたわりの気持ちを育てる瞑想ヨガ

セルフケアという言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

自分自身をケアする

自分自身をいたわる

これを瞑想ヨガの中で行っていきます。

パンダ先生

いつでもボクたちは「体と共に、今ここにいる」のさ。

当たり前すぎるで、日常で意識することは意外と難しかったりします。

そこで体と向き合う瞑想ヨガを通して、「私たちはいつも体と共に今ここにいる」という事実を体感しやすい状態を作ります。

瞑想ヨガのやり方 -マインドフルネスストレス低減法(MBSR)版-

MBSRの瞑想ヨガは、大きく分けて2タイプあります。

ひとつは横になって行う瞑想ヨガ、そしてもうひとつは立った状態で行う瞑想ヨガです。

いずれの場合も、無理をせずに自分の体に合わせて今どうするかを選択するというスタンスです。

パンダ先生

先生や周りの人と同じようにしようと、頑張らなくていいんだよ。

瞑想ヨガをやるときの9つのポイント

  1. 体勢を整える
  2. 接地面の体の感覚を感じる
  3. 呼吸を感じる
  4. できるだけポーズをとる
  5. 動いている瞬間瞬間の体の感覚、呼吸の状態、心の状態を感じる
  6. 限界を超えない範囲で、体に優しい気持ちを向ける
  7. ポーズとポーズの間で「今」を感じる
  8. 最後、じっとしているときの体の感覚、呼吸の状態を感じる
  9. セルフケアの時間をとり、自分を大切にしたことを褒める

瞑想ヨガをやってみて実感したこと -MBSR版-

この章は完全に私自身の体験にもとづいた、個人的な感想です。

体を動かしながらの瞑想ヨガは「今」に集中しやすい

瞑想ヨガをする時は、体を動かすことと感覚や呼吸に意識を向けているので、あまり思考にふける暇がなく、「今」の瞬間に入り込みやすいと感じています。

またストレッチにもなり、終わった後の気持ち良さを味わえるのも好きです。

体に意識を向ける瞑想ヨガは、体を大事にしようという気持ちになる

健康のために体を大事にしようとか、頭で理解している時、あまり感情がこもっていないことに気づきました。

「健康であるためには〇〇しなければいけない」

「健康でいたいなら〇〇はやめたほうがいい」

というようなことは、かえってストレスをかけているように思えます。

一方、瞑想ヨガを行うと、自然と自分の体を可愛がりたくなるような、大事にしたくなる気持ちが湧いてきます。

瞑想ヨガをするとホッとする

きっと深い呼吸になり、副交感神経が優位になるからでしょう。

そして、体の力が抜ける瞬間をじっくり味わえるからでしょうか。

全く記憶にはありませんが、お母さんの子宮の中にいるような安心感に包まる感じになります。

瞑想ヨガ中に眠気が襲ってくる

瞑想ヨガを始めるまではぜんぜん眠たさを感じていなような日でも、体や脳が休みを欲しているのでしょうか。

ふと眠っている瞬間があります(笑)

それでも、MBSRの瞑想ヨガ的には良いらしいのです。


眠くなったら、眠くなった瞬間に気づければ。
そんな大らかさが大好き。

瞑想ヨガをやるときの注意点 -MBSR版-

MBSRの瞑想ヨガをやるときの注意点について、まとめます。

瞑想ヨガを行うときは、限界を超えない安全な範囲で

これから日本でも広まっていくと予想されますが、MBSR版の瞑想ヨガは欧米では慢性的な痛みがある方など、医療の現場でも使われます。

つまり、自由に体を動かせる人に限らず、誰もが行えるように考えられています。

自分の体の声をよく聴きながら、限界ポイントを超えない安全な範囲で行うこと必須です。

そのためには、限界ポイントがどこにあるかを探る必要があります。
ゆっくりな動きのなかで、感覚や呼吸に十分意識を向けて探していきます。

瞑想ヨガを行う前にクッションや枕、ブランケットを用意する

瞑想ヨガに使うヨガマットのほかに、クッションや枕、ブランケットを用意して、痛みや違和感のない状態をつくれるようにします。

これも自分自身の体をいたわる行為として、大切なポイントです。

瞑想ヨガをするのに快適な部屋の環境を整える

部屋の明かりの加減

瞑想ヨガは感覚に意識を向けるために目を閉じて行う時間があります。そのときに光の明るさが邪魔になるような場合は、明かりの加減が必要になります。

温度

暑すぎたり、寒すぎたりしないように部屋の温度を調整しておくといいです。途中で寒くなったっら上から羽織るものやブランケットがあると便利です。

香り

刺激の強い臭いのものは避け、好みの香りがあればお香やアロマをたいて行うのも良いです。

瞑想ヨガを行うときは、体をしめつけない服装で

感覚に意識を向けるときに気にならない程度の、呼吸や体の動きをしめつけないような動きやすい服装で行うのがオススメです。

【参考図書】

「マインドフルネスストレス低減法」 J.カバットジン